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ModuleApps誕生と成長の裏側

2024.05.30

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ModuleApps誕生と成長の裏側

実店舗を運営している企業や自治体を対象にした公式アプリ開発サービス「ModuleApps2.0」。今回は、立ち上げメンバーでもある3名に、プロダクト開発の舞台裏やプロダクトの展望を語ってもらいました。

オリジナルアプリが開発できるサービスModuleApps誕生の舞台裏

―――まずは、2009年にModuleAppsが誕生した経緯についてお聞かせください。

(河野)
当初は、時限クーポンサイトの「イマナラ!」を展開していました。
とある顧客に「イマナラ!」の提案をしたところ、オリジナルのアプリが欲しいとの要望を受けました。そこで、「イマナラ!」の機能を横展開すれば、もしかしたらオリジナルアプリが作れるのではないかと思い、開発に着手しました。

最初からModuleAppsのコンセプトがあって立ち上げたわけではなく、「イマナラ!」事業を展開していく中で顧客からヒントを得たのがModuleAppsの第一歩です。

―――顧客からヒントを得て、どのようなビジネスにしていこうと思ったのでしょうか。

(河野)
まずは、ほしい機能をすべてパワーポイントに書き出し、「このパワーポイントに記載されている機能が搭載されているアプリを作ってほしい」と55ページにわたる資料を酒寄さんに渡しました。
本来であれば、プロダクトのコンセプトを決め、設計書を作り、そして開発に入るのですが、当時はイメージのスライドのみで形にしてもらいました。 スライドを渡してからはエンジニアが主導して社内ヒアリングを実施しました。

―――酒寄さん、スライドを渡された時はどんなお気持ちでしたか。

(酒寄)
びっくりしましたね(笑)。 でも、驚きよりも「面白そうだな、やってみよう」という気持ちが勝ちました。

―――開発していく中で、一番苦労したことは何ですか。

(酒寄)
位置情報を活用して飲食店の時限クーポンを提供することに一番苦労しました。
地下にある店舗の位置情報をどうやって取得するかと、間違っている位置情報の修正をするといった2点に苦労しました。位置情報を何回か取得して、誤差がなければ採用する…的な細かいロジックを入れたりして…。
様々な店舗の位置情報が正しく取得できるかを検証するためのフィールドテストに、細川さんが一つひとつ店舗を回っていたのは、今でも忘れもしない出来事です。地道なことを続け、軌道に乗せていきました。

(細川)
当時は今ほど位置情報が精緻ではなかったことに加え、地下の店舗では精度が大きく下がってしまうといったことも発生していました。なので、日本の店舗に来店しているのに、位置情報はメキシコを表示していたこともありました (笑)。

位置情報を修正するために、店舗に出向いて実際の位置情報を取得し、酒寄さんに「今、○○店の位置情報を取得したよ!」と電話で伝え、修正作業をしてもらっていました。 1日、十数店舗回ることもありました。とにかく地道な行動を積み重ねました。

(河野)
ModuleAppsを使用して開発した最初のアプリは、リリースから3日で3万ダウンロードされて、アプリストアのライフスタイルカテゴリで1位を取りました。自分たちが手掛けたアプリがストアで1位になったことがすごくうれしくて、今でも当時のスクリーンショットは大切に取っておいてあります。

―――ModuleAppsは様々な苦労があって生み出されたのですね。開発後はどのように展開していったのでしょうか。

(河野)
最初のアプリをリリースしてから、アプリの基本的な機能はそのままにして、TOP画面などの見た目の部分を変えれば他の顧客にも展開できるのではないか、と思っていました。
その時に、とある企業より「うちの会社でも自社アプリがほしい」とお声をいただいたので、試作品を作って商談にもっていきました。

(細川)
ModuleAppsを開発し、提供を始めた当初は、どのアプリでも使用するような、標準的な機能のみを顧客に使ってもらおうと考えていました。
ですが、商談の中で顧客から「どうしてもオリジナルの機能をつけてほしい」との要望が出てくることが多かったです。顧客の要望を受け入れるのか、受け入れるとしたらどこまで対応するか、などの議論を何度も重ねました。

(河野)
私の性格上、「顧客の要望を受け入れたい、叶えてあげたい」という思いは当時からすごく強かったです。
それから、当時はスマートフォンアプリを作成できる企業自体がとても稀有な存在でしたので、「この業界をリードするためには、スマートフォンアプリを作れる自分たちこそが顧客の要望を叶えるべきではないか?」とも考えていました。 結果的に、アプリの価値やダウンロード数、顧客の利便性を上げるためには顧客の要望を受け入れたほうが良いだろう、と判断しました。

「できない理由」は探さない

―――ModuleAppsは2023年12月に1億ダウンロードを突破しました。ここまで大きくなった要因は何だと思いますか。

(河野)
プロダクトを成長させるためには、顧客とのコミュニケーションを増やすことが大切ですが、ModuleAppsにおいてはエンジニアが課題に対する解決策を探してきてくれたことも大きいです。

(酒寄)
ModuleAppsにとって大きなターニングポイントは、個別のカスタマイズができるようなプロダクトにする、と決めた点だと思います。
そして、カスタマイズには制限を設けない方針とし、「やったことのないこともやろう」と思っていました。
ModuleAppsでは、これまで位置情報、歩数計、カメラ、NFC(※1)など、スマートフォンに組み込まれている機能をほとんど使っているので、顧客の要望にほぼ応えられるプロダクトだと思います。

※1:NFC・・・近距離無線通信のこと。カードやデバイスを端末にかざすことで通信ができる仕組み。

―――酒寄さんが「やったことのないこともやろう」と思えた原動力はなんでしょうか。

(酒寄)
「やったことのないこと」に対して価値を感じ、好奇心を抱いたからですね。
中でも顕著だったのは、OCRや歩数計、多言語、ビーコンやAR計測機能を開発しているときでした。「今はわからないことも多いけど、面白そうだよ。とりあえずやってみよう。たぶん楽しくなるよ」と言いながら開発をしていました。
結果として、開発していた機能が顧客の要望と合致し、世の中にリリースされました。

(河野)
初めてのことに対して、酒寄さんは、「できません」とは言わなかったですね。「やるとしたら、こういうリスクがあります」とリスクをきちんと提示してくれる。リスクを提示してくれることは、判断の大きな助けになりましたね。
「無理です」は言わなかったよね。「やめたほうがいい」はあったけど(笑)。

(酒寄)
間違っているものに対しての指摘はしましたね。
あと、エンジニアが「できません」っていうと、そこで全部の話が止まっちゃうので、「できない」よりも「やる場合、こういう課題がある」の方が前向きに物事が進むかなと。

(河野)
そうだよね。これはエンジニアを目指している人にはぜひ参考にしてほしい考え方だと私は思っています。

―――ModuleAppsがここまで大きくなるためには、「顧客からの要望を受け入れる」点も重要なのではないかと思います。

(細川)
河野さんは常々「時間とお金をかければ何でもできる」とおっしゃっており、その考えが全員の根底にあるからではないかと思います。営業部隊は、顧客からの高い要望を実現するためには何ができるか?を常に考えています。
そういえば河野さん、「どうすればiPhoneから匂いを出せるかな?」ってよく聞きますよね(笑)。

(河野)
そう。残るは匂いだけだと思っています(笑)。

(細川)
それくらいハードルの高い要望だったとしても、我々にできることはあると思っています。これからも制限はしないですし、できない理由は探していないですね。

ModuleAppsはマーケティングツールとして活用してほしい

―――最後に、今後の抱負やModuleAppsに期待することを聞かせてください。

(河野)
私たちはアプリを作るところから事業を始めました。事業を進めていくうちに、顧客から「アプリは作ったけど使いこなせていない」といった声を多く聞くようになりました。
アプリを作って終わりではなく、使ってもらわないと意味がないと感じています。顧客にはロイヤルカスタマーとのコミュニケーションをとるためのツールとしてアプリを使いこなしてもらいたいと強く思っています。
そのためには、これからもModuleAppsの機能を拡充していきたいです。 そして、ModuleAppsをマーケティングツールとして活用してほしいというメッセージも発信し続けたいですね。

(細川)
先ほど河野さんもお話していた通り、ModuleAppsをロイヤルカスタマーとのコミュニケーションツールにしてもらうべく、今以上に様々なツールと連携ができるとより良いのではないかと思っています。
アプリ開発事業だけでなく、当社で行っているグロースマーケティング事業との親和性も高いプロダクトだと感じています。これからも事業をまたいだ連携をし、より顧客の事業の発展に寄与できるプロダクトを提供し続けたいなと思いますね。

(河野)
ModuleAppsはSaaSではなく、BaaS(※2)であり、だからこそサステナビリティが高いプロダクトだと思っています。 要するに、バックエンド機能がプロダクトの根幹になっており、API(※3)の連携先が変わったとしても成立します。

例えば、人類がスマートフォン以外のデバイスを使うとか、アプリ以外のWEBサービスを使うようになったとしても、APIの連携先を変えるだけでこの事業は成立します。アプリの提供が終了したら縮小する事業ではありません。 今はアプリが最適ですが、いつかは変わるかもしれません。技術革新にあわせていく柔軟性を持つことも重要だと思っています。

ModuleAppsはまだまだ発展途上の事業です。技術革新にあわせていくためにはこれからもアップデートを続けないといけないと感じています。 これから入社いただく方も、一緒に作り上げる感覚で働けるのではないかと思います。

※2:BaaS・・・Backend as a Serviceの略称。Webアプリやモバイルアプリが持つバックエンド機能をアプリケーションサーバー側が代行するクラウドサービスのこと。
※3:API・・・Application Programming Interfaceの略称。ソフトウェアやプログラム、Webサービスの間をつなぐインターフェースのことを指す。

プロフィール

河野 恭久

河野 恭久

代表取締役 CEO

人材ビジネスを営むスタートアップからキャリアをスタート。販売・企画・戦略立案等に携わりながら、イマナラ!事業の立ち上げに参画。2011年に現DearOneを共同創業、スマホアプリ開発サービスModuleAppsを立ち上げ2015年1月より現職。

細川 賢治

細川 賢治

プロダクト開発部 General Manager

2011年にDearOne創業メンバーとしてModuleAppsの拡販をけん引。さまざまな業種業態の企業に対してアプリの導入・運用サポートを実施し、現在は自社プロダクトの企画・開発を推進。

酒寄 大輔

酒寄 大輔

プロダクト開発部 Product Manager

ガラパゴス携帯時代からモバイルアプリの開発に従事。2012年にDearOneにジョイン。プロダクトマネージャーとしてModuleAppsプロダクトの開発を主導。